最近、知り合いの友達や取引先やあらゆるところで「奈○子」という女性に会うことが多い。いや、これまでも多くの「奈○子」さんに遭っていたかもしれないが、「奈○子」という名前を意識しているからそう感じるだけかもしれない。とにかく「奈○子」の出現度合いが他の名前の女性より群を抜いて高く感じる。
そして不思議なことに、「奈○子」という女性はたいてい強くて聡明で美しい。圧倒的な存在感があり、人形のようにあでやかに微笑む。高密度で均整のとれた「奈」「○」「子」という字面に居する雅と堅さと親しみの調和が女性という形に具現化したと言えよう。
世界の「奈○子」がすべてあのように育つのならば、自分の娘にも「奈○子」とつけようかと思う。しかし娘ではなく息子が産まれてきたらどうしよう。いやむしろ、万が一強く美しい「奈○子」さんとご縁があったら、娘が産まれたとしても「奈○子」とつけることはできないし、そもそもここまで「奈○子」に支配されていると、そこらにころがっている薄い縁すらも逃しかねない。いやすでに逃しているのだろう。髪は退却の準備を進めているし、社会の先行きも不安で、ここは多面的危険水域だ。
しかしながら、よくよく考えてみるとメールの差出人の名前にアルファベットでNa○koと書いてあってもときめいてしまう。中には「奈○子」ではないNa○koさんも含まれている。ということはブランドにひもづいているのは字面ではなく音なのかもしれない。そうに違いない。
だからどうした。
どっちにしても、俺はどうすればいいんだろう。
仕事しなきゃ。
奈津子 奈美子 奈々子 奈加子 奈緒子 奈保子
なまこ なめこ なるこ 茄子子 。。。ご飯支度しなきゃ
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