父親が上京してきたので一緒に昼飯を食べることになり、神田須田町のかんだやぶそばの近くにあったいせ源にアンコウ鍋を食べにいくことになりました。東のアンコウ、西のフグ。秋〜春先までしか食べられないアンコウはちょうどシーズン真っ盛りです。
まず神田駅で集合したのですが朝も早かったので、開店前の腹ごなしにまずは近くの喫茶店ショパンに入りました。ここも須田町界隈の古いお店の一つで、昭和なインテリアで落ち着いた照明のもと、ショパンの調べを聴きながら深みのある珈琲。
そしていせ源に入店。昭和初期にたてられた歴史的建造物の二階の座敷、窓際に席をとります。隅々まで手入れが行き届いています。半分程度埋まっていたお座敷で鍋をつつく他のお客さんを見て、さぞ身もぷりぷりしてうまいだろうと期待してしまいます。
まずは肝刺し。あの山岡士郎がフォア・グラよりもうまいと言ったことがあるアンキモです。ポン酢ともみじおろしに浅葱で食べるようですが、どんな刺身でもそのまま食べるまんご!はそのまま口に運びました。旨味の乗った脂分がしっとりずしりと舌に乗りますが、その脂はするりととけて舌にまとわりつくことなく消滅するため、重くありません。
それとともに、煮こごり。アンコウのゼラチン質に腸のようなものが固められていましたが、これはどうも腸ではなく卵巣のようです。ゼラチンのちょうどいい堅さに卵巣のこりこりした弾力とのコントラストがありました。
火のついた鍋には、醤油系の味がきいただしに、三つ葉やウド、そしてアンコウの肝、皮、ゼラチン質、身が入っています。アンコウの各部位は骨などの食べにくくグロテスクに見える部分をすべて落とされており、食べやすく仕上がっています。多少身に深海魚っぽい味が残っていますが、臭みはほぼ消えています。いい仕事です。ゼラチン質が多い、といっても、スッポン鍋ほど強烈なゼラチンではなく、あっさりとしています。スープの味は多少濃いですが、東京育ちの父親にはちょうど良かったようでした。
アンコウの身を追加して平らげて、最後におじやにします。
堪能しました。なによりも、食べやすさに驚きました。
すでに腹一杯だったのですが、これもいつか入ろうと思っていた、いせ源の向かいにある甘味処竹むらに入りました。まずは桜の花の塩漬けを湯にひたした桜湯で迎えられ、あわぜんざい、餅ぜんざいとくず餅を別腹に入れて満足しました。あわぜんざいのあわは適度なつぶつぶ感が残っていて舌触りがとてもよいです。
次回はこれまたこの界隈にある鳥すきのお店「ぼたん」に出かけることにして今回はお開きにしました。